中学生にもわかるAI経営

AIを勉強しても使えない理由

AIノウハウを見ても自社で使えない経営者へ。プロンプト術より先に、AIを相談相手にする考え方を整理します。

連載 2 2026.05.28 AIの授業ノート
AIを勉強しても使えない理由

合同会社Leadfive 山下です。

さて、

AI活用の動画を見た。

プロンプトも調べた。

便利そうなツールも入れてみた。

それでも、自社でどう使えばいいのか分からない。

経営者がAIで止まりやすいのは、ここです。

情報が足りないのではありません。

むしろ情報は多すぎます。

YouTubeにもXにも、AIの使い方、プロンプト、ツール紹介は毎日流れてきます。

ただ、その情報が自分の会社に合っているかは別です。

トップエンジニアには便利な使い方でも、最初にAIを触る経営者には難しすぎる。

逆に、初心者向けの情報だけ見ていても、経営判断にはつながりにくい。

だから、最初にやることはAIの勉強ではありません。

AIに相談することです。

今回のYouTubeでも、この話をしました。

動画で見る場合はこちら

この記事でわかること

  • AIノウハウを見ても成果につながりにくい理由
  • 経営者がAIを相談相手にするとはどういうことか
  • 最初に押さえるべき3つの使い方
  • 音声入力が経営者に向いている理由
  • AIの達人ではなく、経営の達人になるという考え方

AIノウハウは、経営者向けに並んでいない

AIの情報発信は増えています。

このプロンプトが便利です。このツールを入れると効率化できます。こう使えば今までできなかったことができます。

こうした情報は、間違っているわけではありません。実際に役立つものも多いです。

ただし、問題があります。

難しいものと簡単なものが、同じ棚に並んでいることです。

スーパーで考えると分かりやすいです。

料理を始めたばかりの人が、プロ用の調理器具、家庭用の便利グッズ、高級食材、冷凍食品を一気に見せられているような状態です。

どれも役に立つかもしれない。でも、今の自分に必要なものが分からない。

AI活用でも同じことが起きています。

経営者に必要なのは、AIノウハウを全部覚えることではありません。今の自社に必要な使い方を選ぶことです。

その選び方を、AIに聞けばいい。

AIのことは、AIに聞いていい

AIは思っているより丁寧に教えてくれます。

分からないことがあれば、分からないと伝えればいい。

中学生でも分かるように教えてください。専門用語を使わずに説明してください。今の自分の状況なら、何から始めればいいですか。

こう聞けば、AIは相手のレベルに合わせて説明してくれます。

AIを使うために、先にAI講座を受ける必要はありません。もちろん学ぶこと自体は悪くありません。ただ、最初の一歩で必要なのは勉強量ではなく、相談量です。

経営者がAIを使う時は、先生に教えてもらう感覚より、隣に相談相手を置く感覚の方が近いです。

まず話す。分からないと言う。返ってきた答えを見て、自分で判断する。

この往復だけでも、AIは十分に使えます。

1つ目は、AIに質問させること

AIに質問するだけでは足りません。

AIにも質問させます。

たとえば、こう伝えます。

私の考えを話します。足りない情報があれば、先に質問してください。もっと良くするために確認すべきことがあれば、私に聞いてください。

これだけで、AIの使い方はかなり変わります。

経営者の頭の中にあるアイデアは、最初から完成形ではありません。むしろ、種に近いです。

その種を、自分だけで閉じる必要はありません。

AIに質問させると、自分が見落としていた前提、曖昧な目的、足りない数字、決めていない条件が出てきます。

これは、優秀な右腕に壁打ちしている感覚に近いです。

社長が話す。相手が聞く。足りない部分を質問する。答えながら、社長自身の考えも整理される。

AIは、ここに強いです。

2つ目は、反対意見を出させること

AIは、基本的に肯定してくれます。

それは良いアイデアですね。素敵ですね。進め方として考えられます。

最初は気持ちがいいですが、経営判断では危ないことがあります。

経営者に必要なのは、賛成してもらうことではありません。結果に近づくことです。

Aで進みたいと考えている時、AIがただAを褒めるだけでは意味がありません。

本当にAでいいのか。Bの方が早いのではないか。今はやめた方がいいのではないか。見落としているリスクはないか。

こうした反対意見も出させる必要があります。

僕はこの使い方を、悪魔の代弁者としてよく使います。

やり方は難しくありません。

この案に対して、悪魔の代弁者として反対意見を出してください。感情的な否定ではなく、目的に近づくための客観的な指摘にしてください。

こう頼むだけです。

反対意見は、アイデアを潰すために使うものではありません。アイデアを強くするために使います。

経営戦略会議でも同じです。誰も反対しない会議は、早く終わります。ただ、良い判断になるとは限りません。

AIにも、あえて反対側に立たせる。

これを入れるだけで、AIは相談相手としてかなり使いやすくなります。

3つ目は、音声入力で文脈を渡すこと

AIと話す時、経営者には音声入力が向いています。

理由は簡単です。

人は、タイピングすると省略します。

打つのが面倒だから、短くする。フリック入力が面倒だから、言葉を削る。結果として、AIに渡る情報が少なくなります。

AIは文脈を理解するほど、答えが良くなります。

何をしたいのか。なぜ悩んでいるのか。過去に何を試したのか。何が怖いのか。どこまでなら実行できるのか。

こうした文脈は、短いプロンプトだけでは伝わりにくいです。

音声なら、長く話せます。

きれいに話す必要はありません。多少まとまっていなくてもいい。まず話す。その後で、AIに整理させればいい。

たくさん話すほど、AIは判断材料を持てます。

そして、ここまでの3つを組み合わせます。

音声で文脈を渡す。AIに質問させる。反対意見を出させる。

これだけで、AI活用の入口としては十分です。

AIの達人になる必要はない

AI活用が合っているかどうかを、最初から心配しすぎる必要はありません。

AIは毎日のように変わります。今日の正解が、明日も同じとは限りません。

だから、完璧な使い方を探し続けるより、自分の型を早く作った方がいい。

分からない時にAIへ相談する。足りない情報を質問させる。反対意見を出させる。音声で文脈を渡す。

この繰り返しです。

経営者が目指すべきなのは、AIの達人ではありません。

経営の達人になることです。

AIは、そのための相談相手です。

道具として覚えるより、相手として付き合う。

ここから始める方が、経営には使いやすいです。

まずAIにこう聞いてみる

最初の一言は、これで十分です。

私は経営者です。AIを自社で使いたいですが、何から始めればいいか分かりません。今の状況を話すので、足りない情報があれば質問してください。その上で、反対意見も含めて、最初に試すべき使い方を提案してください。

この文章をそのまま使ってもいいです。

大事なのは、きれいなプロンプトを書くことではありません。

AIに相談する習慣を作ることです。

動画版では、実際にこの考え方を話しながら整理しています。

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