行動経済学は理論の学問ではない。マーケティングの現場で顧客の行動を理解し、施策を設計するための実用的な知見だ。
戦略1 認知段階:好奇心ギャップで注意を引く
知っていることと知らないことの間にギャップがあると、人はそれを埋めたくなる。広告やSNS投稿のタイトルでこのギャップを作り、クリックを促す。ただし、クリック先の内容で期待に応えることが前提だ。
戦略2 検討段階:アンカリングで比較基準を設定する
人は最初に提示された数字を基準にして判断する。定価10万円のものが7万円で買えるとお得に感じるが、最初から7万円と提示されるとその感覚は生まれない。プラン表示の順序や価格の見せ方でアンカリングを活用する。
戦略3 購入段階:デフォルト効果で選択を支援する
人は選択を迫られると、変更しないこと(デフォルト)を選びがちだ。推奨プランをデフォルトとして設定し、選択の負荷を下げる。行動経済学全般の活用法は、行動経済学マーケティングの記事で扱っている。
戦略4 購入後:保有効果でリテンションを強化する
一度手にしたものを失うことへの抵抗感(保有効果)を活用する。無料トライアルの提供は、使い始めた機能を手放したくないという心理を利用している。
戦略5 リピート段階:互恵性で長期関係を築く
何かをもらったらお返ししたいという心理。有益な情報や無料コンテンツを先に提供することで、購入やリピートへの心理的な後押しになる。消費者心理の階層別アプローチは、階層別アプローチの記事で整理している。
行動経済学は施策のデザインツール
理論を知っているだけでは売上は変わらない。各フェーズで適切な心理戦略を選び、施策に落とし込むことで初めて成果につながる。