LPを作り直した。広告のターゲティングを変えた。フォームの項目を減らした。それでもCVRが改善しない。こうした状況に直面したとき、見直すべきは技術的な要素ではなく、顧客の心理に合った設計になっているかどうかだ。
方法1 最初の3秒で「自分のことだ」と感じさせる
ランディングページを訪れた人は、最初の数秒で自分に関係があるかどうかを判断する。この判断で「関係ない」と感じた瞬間に離脱する。
CVRを改善するには、ファーストビューのキャッチコピーを顧客の課題に直結させることだ。「高品質なサービス」ではなく「毎月の問い合わせ対応に3時間かかっていませんか」。後者のほうが、該当する人の注意を引く。
ターゲットが抱えている具体的な課題を言語化し、それをファーストビューに配置する。AIを使って顧客の問い合わせ内容やレビューを分析すると、使うべき言葉のヒントが見つかる。
方法2 選択肢を減らして判断の負荷を下げる
プランが多すぎる、ボタンが多すぎる、情報が多すぎる。選択肢の過多は、顧客に判断を強いる。判断が面倒になれば、買わないという最も楽な選択に流れる。
CVR改善の鉄則は、ページ内で顧客にしてほしいアクションをひとつに絞ることだ。複数のCTAがあると迷いが生じる。メインのCTAをひとつだけ配置し、それ以外の導線は控えめにする。
プラン選択が必要な場合は、推奨プランを視覚的に目立たせる。「一番人気」「おすすめ」のラベルがあるだけで、選択の負荷は格段に下がる。
方法3 社会的証明で不安を解消する
購入を迷っている顧客の多くは、この選択は正しいのかという不安を抱えている。この不安を解消するのが、他者の行動や評価という社会的証明だ。
導入実績の数字、顧客の声、メディア掲載歴。CVRが高いページには、必ずこれらの要素が配置されている。とくに効果的なのは、ターゲットに近い属性の人の声だ。同業種、同規模の企業の事例があれば、「自分にも当てはまる」と感じやすくなる。
レビューの質と量をどう確保するかは、行動経済学マーケティングの記事でも触れている。
方法4 損失回避の心理を適切に使う
人は得をすることよりも損をすることに強く反応する。この損失回避の心理をCVR改善に使うには、「今行動しなければ何を逃すか」を示すことが有効だ。
期間限定のオファー、残り枠の表示、無料トライアルの期間。ただし、虚偽の希少性は信頼を壊す。実際に限りがあるものだけを正直に伝える。誠実な緊急性の提示は、顧客に行動のきっかけを与える。
もうひとつの使い方として、無料トライアルを提供する方法がある。一度使い始めた機能を手放すことへの抵抗感(保有効果)が、有料プランへの移行を後押しする。
方法5 フォームの心理的ハードルを下げる
フォームの項目数を減らすことは定石だが、それだけでは不十分な場合がある。フォームに入力する際の心理的なハードルにも目を向ける必要がある。
名前や電話番号を入力することへの抵抗感はまだ根強い。最初のステップではメールアドレスだけを求め、後から追加情報を聞くステップ型のフォームが有効だ。最初のハードルを極限まで下げることで、入力を始めてもらう確率が上がる。
フォームの上部に「30秒で完了します」「入力後すぐにダウンロードできます」といった安心材料を配置するのも効果的だ。顧客が抱える「面倒くさい」「何かに登録させられるのでは」という不安を先回りして解消する。
消費者心理の階層別アプローチについては、階層別アプローチの記事でも整理している。
CVR改善は顧客の心理を理解することから始まる
テクニカルな改善も大切だが、顧客がなぜ迷い、なぜ離脱し、何があれば安心して購入できるのかを理解することが本質だ。心理を理解すれば、改善の優先順位が見えてくる。
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