マーケティングの手法は常に入れ替わるが、何が変わり何が変わっていないかを見極める視点がなければ、流行に振り回されるだけだ。5つの比較軸で旧来のアプローチと新しいアプローチの違いを整理する。

比較軸1 広告モデルの変化:一方通行から対話型へ

広告モデルのイメージ

テレビCMやバナー広告は、一方的にメッセージを届ける仕組みだ。対して、SNS広告やインフルエンサーマーケティングは、双方向のやり取りを前提としている。

一方通行型が完全に消えるわけではないが、効果は下がり続けている。消費者はスキップできない広告にストレスを感じ、広告ブロッカーの利用率は上昇している。対話型のアプローチは、顧客が能動的に関わる分、記憶に残りやすく購買行動への影響が大きい。

比較軸2 ターゲティング:属性ベースから行動ベースへ

ターゲティングのイメージ

年齢、性別、地域で顧客を分類する属性ベースのターゲティングは、精度に限界がある。同じ30代女性でも関心や行動は千差万別だ。

行動ベースのターゲティングは、実際のWebサイト閲覧履歴や購買データに基づいて顧客を分類する。「過去1週間で3回商品ページを訪問した人」は、属性に関係なく購買意欲が高い。この行動データに基づくセグメントのほうが、施策の精度は上がる。

消費者心理を施策に反映する方法は、購買行動の心理学の記事で整理している。

比較軸3 コンテンツ制作:外注から内製+AI支援へ

コンテンツ制作のイメージ

コンテンツ制作を外部のライターや制作会社に依頼するモデルは、品質は安定するがコストがかさむ。生成AIの登場で、社内のマーケティング担当者がAIの支援を受けながら制作する内製モデルが選択肢に加わった。

外注モデルは自社の深い知識が反映されにくいという弱点も持っている。内製+AI支援なら、自社の経験やデータを直接コンテンツに織り込めるため、独自性の面で有利になることが多い。

比較軸4 顧客関係:獲得重視から維持重視へ

顧客維持のイメージ

新規顧客の獲得コストは年々上昇している。広告費の競争が激化し、同じ数の顧客を獲得するために必要な投資額は増え続けている。

この環境下で注目されるのが、既存顧客の維持とLTV向上だ。一度獲得した顧客との関係を深め、リピート購入や紹介を増やすほうが、新規獲得よりもコスト効率が良い場合が多い。

AIを使ったリテンション施策として、離脱予兆の検知やパーソナライズされたフォローアップの自動化が実用段階に入っている。

比較軸5 意思決定:経験ベースからデータ+AI支援へ

データ分析のイメージ

マーケティングの意思決定が、経験と勘に頼るものからデータに基づくものへと移行している。AIはこの移行を加速させている。

施策の効果予測、A/Bテストの結果分析、顧客行動の異常検知。こうした作業をAIに任せることで、意思決定のスピードと精度が上がる。ただし、AIが提示するのは選択肢であり、最終的な判断は人間がする。

AI技術のビジネスへの影響については、AI技術の最新動向の記事でも扱っている。

比較軸を持つことが、変化への最大の備えになる

トレンドは追うものではなく、見極めるものだ。5つの比較軸を頭に入れておけば、新しい手法や技術が登場したときに、それが自社にとって意味のある変化かどうかを冷静に判断できる。

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